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新年のご挨拶

2016.01.06

新年明けましておめでとうございます。新しい年が皆様にとって希望に満ちた活気ある年となる事を祈念いたします。 アベノミクスの効果は実感出来ませんが、安倍内閣のブレのない舵取りは長期政権としての安定感により信頼と期待が持たれます。国内外の諸問題の解決は厳しいとは言え本格的な経済発展への期待をしたいところです。

さて、オリンピック関連施設の建設計画に対する話題、特に新国立競技場計画を巡る国を挙げての大論争は環境や景観論を越え社会の本質に迫る大切な問題でした。禍根を残した国際コンペ、緊急避難としてのデザインビルドの採用等、今後への大きな課題を残しました。設計と施工の分離により、責任を持って質の高い優れた建築の実現を目指す事が必要です。

さて、私達の横浜市建築設計協同組合にとって昨年は大変厳しい年でありました。耐震関連の業務が終焉を迎え、受注量の減少に苦慮致しました。継続的な公共施設の維持保全業務に力を注ぎ、品質の高い成果品を実現する事に全力を尽くし今後への展開を図って参ります。

年末に横浜で発覚した「マンションの杭長」の問題は耐震偽装事件で失墜した建築の専門家としての資格の評価を再び汚す問題でした。業界のあり方に起因する部分が大きいとは言え、施工管理する資格者の資質が問われます。私達は専門家として社会から期待され必要とされる存在である事を改めて自覚しなければなりません。

昨年の最大の話題であった新市庁舎の計画は「デザインコンセプトブック」による、横浜方式とも言えるデザインビルドにより、事業者が決定されました。世界的建築家槇文彦氏の品位あるデザインに大きな期待が持たれます。建築家村野藤吾から槇文彦へ引き継がれる新しい市庁舎が関内地区の発展と、港町横浜の歴史を継承しさらなる発展への起爆剤となることを願いたいと思います。また建築家村野藤吾によるモダニズム建築の傑作と評価される現市庁舎の利活用について、市民として専門家としてしっかりと見守って行きたいと考えます。

新しい年を横浜再生のスタートの年として皆様と共に、より良い横浜の街造りに大きな期待と希望をかけたいと考えます。 本年も皆様のご理解ご協力をお願いして新年のご挨拶と致します。

横浜市建築設計協同組合理事長 金子修司