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旧スタッフの来訪

2017.03.23

一ヶ月前に連絡があり、今日、旧設計スタッフの二人が事務所を訪れた。

ひとりは入社時の条件で五年ほど設計に従事し退職、千葉で親父の工務店を継ぎ地元や近県を工事区域として活動していて、数年前に我が家の屋根が漏水した時も早朝に駆けつけ応急処置をしてくれた。七年ほど前、東京湾岸館山の旧漁師網元の大きな家を旅館に改造する仕事を弊社に持ち込み、「地魚のうまい宿-たろべぇ」を生き返らせた経緯がある。早春には、温暖の地で奥さんたちが栽培する菜の花など香りの高い花々をたくさんいただく。
因みに、この「たろべぇ」では書画家林俊明師の作品が見られる。

もうひとりは、子どもを授かった折に退職し、奥さんの実家の岐阜で設計事務所を立上げ地道な活動を続けている。今日、顔を出したのは、午後に近県で仕事関連の会議があり、昨夜から来浜し誰かに内緒で楽しみ、この二人で久しぶり飲み明かした(共犯)と言う。
二人の子どもをもうけ、この春、上は大学を卒業し、下が大学に入学する、半分ほっとし、半分もう少しの間しっかりしないと、と。それにしてもこの事務所で始めから終わりまで仕事を幾度も経験したので設計で家族を養ってこられたと感慨深く、多少太った身体を屈めながら、話した。そうじゃない、結婚式でスピーチしたが、奥さんがきつい方だからここまで無事にこれただよ、と私はいい、もう一人もそうだ、そうだと相槌する。事務所を去りその後を心配させるのも少しはいるが、私を心配してくれるのもいる。
今のメインの仕事は全国展開するショップの企画設計で、そのほか、中京地区の幅広い地域で時々注文を受けるが、そのほうは利益が出ない仕事とか。

私を見なさい。今に「杖をツイタ老設計士」とあだ名がつくぐらい、まだ現役だよ、と。
岐阜名物のお土産「鮎餅」は甘くてうまかった。

㈱像建築設計事務所 臼井洋司