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ゾウさんチームの引っ越し

2016.08.31

ゾウさんチームはとなり街に引っ越した。暑い暑いお盆の最中だった。

東京新橋で、ある会社のひと隅に間借りした設計事務所から40年、烏森口に移り、横浜石川町に支店を広げ、まもなく東京を引き上げる。スタッフが増え、磯子の広いビルに移り、その後、自宅隣の仏向町へ移る、そして今回の和田町事務所。

この場所は、私が小学校入学で横須賀不入斗の海軍住宅から移り、祖父が二戸長屋を何軒も建築したその跡地で、当時、貸家の土壁塗りを、こねた土をポタポタ落とし、叱られながらでも五円をもらい、駄菓子屋に飛び込んだ、家のあたり、横浜新道が厚木街道(国道16号)や帷子川、相鉄線をまたぎ、そこに住む人、そこらで遊ぶ子供たちの根城を奪ってちりちりに分かれた思い出の場所、出発地へ帰ってきた。

たまりに溜まった紙資料ファイル、なるべく整理して、と3ヶ月まえより、夕方仕事を一段落して古い資料から眼をとおしてきた。スケッチ、図面、報告書、提案書やファイル、様々なコメント、新聞記事の切り取り、手紙など、手の動きが止まり、かつての打合せの情景、人と顔、話のやり取りがはっきりと浮かび上がる。覚えているもんだ、捨てたくなくなる、減らないよ。

それにしてもずいぶんと設計やってきたものだなあ。

ゾウさんチームは、はるかに定年を過ぎたり、親の在宅介護で離職をしたり、子育て中で在宅勤務と、いつのまにかスタッフも減り、一人ひとりの息遣いを感じる部屋が仕事部屋になった。
ゾウたちも、一緒に引っ越してきた。親は小象を挟んで守りながら草や水を求めて異動する。狭い入り口の打合せテーブルの上や周りで、来る客を歓迎している。

2016年・夏 ㈱像建築設計事務所 臼井洋司